| 作家よりコメント |
猫はたった一枚の毛皮を着て一生を過ごします。何を望むではなく、ある時は哲学者のように虚空を見据えて正に無一物といった感さえします。この現代という人間社会の望み多い暮らしをしていると、ふと、ねこの姿がかけがえのない存在のように思えてくるのです。
私の創作の仕事もずいぶんと長くなりますが、未だに美のありかたに行き着けずに、やっぱり描くことを繰り返しているのです。もっとも日本的な墨の仕事が私の性分に合っていたのでしょう。最近やっとここに自分の居場所を見出すことが出来るようになりました。
今回は猫の絵を多く描きましたが、願うことはただ一つ。ねこのあの無心さで墨の線が引けるようになることです。
自然と文化に育まれた由布院の地で個展を開く機会に恵まれて喜んでいます。今、生きていることを皆さんと分かち合える、そんな場になればと思っています。
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