〜2003年10月の展覧会〜 期間10/1(水)〜10/31(金)

石村定子
〜墨の仕事展〜古裂に寄せて


作品 ねこたち
ねこたち

作品 枯蓮
枯蓮

作品 軸装「日輪」
軸装「日輪」

作品 わらべ
わらべ.
作家よりコメント
猫はたった一枚の毛皮を着て一生を過ごします。何を望むではなく、ある時は哲学者のように虚空を見据えて正に無一物といった感さえします。この現代という人間社会の望み多い暮らしをしていると、ふと、ねこの姿がかけがえのない存在のように思えてくるのです。

私の創作の仕事もずいぶんと長くなりますが、未だに美のありかたに行き着けずに、やっぱり描くことを繰り返しているのです。もっとも日本的な墨の仕事が私の性分に合っていたのでしょう。最近やっとここに自分の居場所を見出すことが出来るようになりました。

今回は猫の絵を多く描きましたが、願うことはただ一つ。ねこのあの無心さで墨の線が引けるようになることです。

自然と文化に育まれた由布院の地で個展を開く機会に恵まれて喜んでいます。今、生きていることを皆さんと分かち合える、そんな場になればと思っています。


石村定子 プロフィール
仕事場:福岡県大野城市南ヶ丘3-12-7
1936 朝鮮にて生まれ、戦後引き揚げる
1958 油彩を手がける
1983 8年間所属していた書団体を退き以後無所属
1987 村岡屋ギャラリー(福岡)を皮切りに書と絵の作品展を開く
以後、佐賀、倉敷、東京、久我美術館などで10回の個展を開催
1993 著書「藍青」作品とそのエッセイ集(石風社刊)出版
2001 NHKラジオ「こころの時代」に出演


10月のアートフォーラム
「石村さんとおはなし」の会のようす


アートホールより
書、あり。絵、あり。軸、屏風、あり。駅ホールが一変、和の空間になります。

「大根を切ることと、作品づくりは別々のことではありません。家事をはじめ、生活の中で自分が感じたことを率直に表現することが重要だからです。大根一本、カボチャ一つを美しいと思う感性を磨きたいと思っています。 ―中略― 家事の時間、作品づくりの時間と一日を細切れに使うという考え方はやめました。作品に向かう自分は主婦なのですから、主婦の感覚を切り離した作品はあり得ません。」(日本経済新聞1994.9.12夕刊より抜粋)

主婦でありながら表現者でもある石村さんは、日常生活と制作活動は切り離されたものではないとおっしゃっています。表現することを生業としていない普通に生活している私たちにも、生きていく、暮らしていくうえで、素敵なものの見方や考え方を教えてくれる。そんな10月の展覧会です。

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