【風の食卓(特別食談会)】 〜奥田政行シェフによる料理とお話〜

主催: 湯布院町商工会  後援: 由布院温泉観光協会、由布院温泉旅館組合


2007年10月9日(火) 開催
 2007年10月9日、第2回『風の食卓祭』が開催されました。今回は山形県庄内にあるイタリアン・レストラン『アル・ケッチャーノ』のオーナーシェフ奥田政行氏(写真)を招いての食談会。奥田シェフは、豊かな自然食材に恵まれた山形県庄内の食材にこだわり、それぞれの食材が持つ美味しさ、素晴らしさを伝えています。
  そして今、奥田シェフが作り出す特別な“食”料理に、日本中の人々が魅了されています。
 山形県庄内。ここはまだ“手つかずのもの”がある土地。奥田さんの取り組みは、野菜本来の“苦味”や“えぐみ”を持つ庄内の食材の魅力を生産者に気付かせることからはじまったそうです。
  『アル・ケッチャーノ』とは、庄内弁で“(ここに全部)あるからね”という意味。美味しい食材は全てここに揃っているよ!という意味を込めて奥田シェフが名付けたそうです。
 料理をする奥田シェフの特徴は大きく二つ。
ひとつは なるべく調理道具を使わないこと。左の写真のように、フライパンの上でもなるべく手を使って調理をすすめていきます。もうひとつは、一度にいくつもの工程を同時進行で進めていくこと。そのメニューの数があまりに多いので、側で見ていても一体いま何品が作られているのか全くの謎です。全ては奥田シェフの頭の中だけで管理されていますっ!
 使う食材は毎日その日の朝に自分の手で調達し、仕入れた食材に合わせてメニューを考案していくのが奥田流です。写真左は、奥田シェフとレストラン南の風(由布院)田井シェフ。仕込みは、レストラン南の風のキッチンを借りてすすめられました。

 『風の食卓祭』では、地元ゆふいんの料理人も、お招きしたゲスト料理人の片腕として同じキッチンに入ります。その様子は、見ているだけで刺激的!感動すら覚えるこの光景は、食卓祭の見所の一つです。
〜今回の参加した料理人〜
・古賀 順一(亀の井別荘「湯ノ岳庵」
・竹林 修(亀の井別荘「湯ノ岳庵」
・田井 正宣(南の風
・山崎 康成(櫟の丘
・合原 毅(山荘わらび野
・山本 鉄雄(由布院玉の湯
・花岡 和幸(草庵秋桜

 この日の食卓祭の参加者は、なんと100名!!
一体どんな料理が出来上がるのか・・・!?
そんな少し張り詰めた空気の中、なんとも穏やかに楽しそうに作業をすすめる奥田シェフ。その人柄にキッチンも和やかに、・・・。
 写真左は、風の食卓祭実行委員長の高田陽平氏(山荘わらび野)。
 
 
◆ 奥田政行シェフを囲んでの昼食会◆

主催: 湯布院町商工会  後援: 日観連由布院連絡会

昼食は、亀の井別荘『湯の岳庵』にて。奥田シェフも仕込みの手を休め、由布院の生産者や商工会、料理人、旅館経営者たちと交流をおこないました。
 
■ ゆふいんの地元生産者 ■

 『食材』- 地元由布院の生産者をご紹介します。
- 赤坂農園(野菜) -
- うらけん牧場(チーズ) -
- クックヒルファーム(チーズ) -
- 江藤農園(野菜) -
- キノコ村(椎茸) -
- 「風の食卓祭」当日の奥田シェフと生産者-
■ 最終準備のようす ■

 食卓祭の会場となる「ゆふいん麦酒館」にて最終準備 
■ 特別食談会 ■

 この日のメニューは、どれも地元由布院の生産者が作る素材を生かした、いかにも奥田シェフらしいものでした。
野菜やチーズ、椎茸などをたっぷり使ったコラボレーション料理全11品。
素材を生かしたシンプルな料理。実際に食べてみると、それぞれの素材が持つ風味が分かりやすく感じられます。その力強さに思わず圧倒されました。
++ MENU ++
■うらけんのモッツァレラと海老芋の茎をすっぱくし  て(写真左)
■絶叫大会で帰ってきた牛肉を赤坂さんのゴボウ  の愛で包んで(写真右)
■マーサの赤鶏ハムと赤坂さんの万願寺とうがらし
佐藤さんのしいたけを生かして…
■あめたとオリーブと赤坂さんのレタス
■関アジのシンプルな冷たいスパゲッティ(左)
サバを大根でゆでてイタリアのポン酢で(右)
鮎とグリーントマトのフリットを一緒にお口の中へ
■地キュウリのジュースをソーダ水で割って
■カボスとレモングラスの香りで食べたボンゴレビア ンコ(左)
■うらけんと上浦さんのヨーグルトとチーズの3段活 用ドルチェ
(右)
〜奥田シェフによるお話〜
 「僕のお店、『アル・ケッチャーノ』には、随時100種類ものメニューがあります。
魚、野菜、なんでもその日の食材に合わせて毎日メニューを考えるので、
お店のメニュー表を見ると、その日採れる庄内(山形県)の旬の食材が分かるようになっています。
食材のことで分からないことがあれば、いろんな生産者のところへ行っては質問します。
そうやって生産者の方たちと仲良くなっていきました・・・。」
 

 ・・・奥田シェフの講演を聴いていると、
料理人と生産者が仲良くなることが“食”をつなげる上でとても大事であることが分かります。
そして講演が終わる頃には、 “私たちにもできるのではないだろうか?”という力が湧いてくるから不思議です。
〜奥田シェフと後藤副知事の対談〜
 「由布院と山形の食文化」をテーマに、奥田シェフと後藤副知事(山形県)の対談。
対談のなかで後藤副知事(中央)は、
「山形にはまだ季節感である“旬”というものが残されていると思います。 私たちが失い かけていた“手つかず のもの”があります。庄内の人たちは、奥田さんの取り組みのおかげで、日本の野菜が失いかけている“野菜  本来の苦味やえぐみ”、“野菜が採れる季節に食べることに意味があるんだ”ということに気付かせてくれました」と話しました。  
 
写真左から田井修二氏(ゆふいん十月祭企画委員)、後藤靖子氏(山形県副知事)、奥田シェフ。
つづいて、桑野和泉氏(由布院温泉観光協会長)が、実際に訪れたことがあるというアルケッチャーノの印象・エピソードなどを語りました。
 食談会の最後は、奥田さんと楽しく料理を作った由布院の料理人がご挨拶。
 由布院の地元生産者たちにも、会場から大きな拍手が贈られました。
 盛り上がる拍手は、「生産者」、「料理人」、「料理をはこぶスタッフ」、「食べ手」の気持ちが一つになった喜びの表れでもあり、会場の気持ちがひとつになった瞬間でした。
 亀の井別荘ご主人の中谷健太郎氏(写真左)と、食卓祭実行委員長の高田陽平氏、奥田シェフ
中谷氏奥田シェフ、溝口薫平氏(由布院玉の湯)。
 奥田シェフを囲んで笑顔で撮影会。
■ 由布院料理研究会との夜なべ談義 ■
つづいては、会場を由布山荘」に移し、 由布院料理研究会と奥田シェフとの交流会です。写真は、食卓祭実行委員長の高田陽平
 写真は、由布院料理研究会を中心となって発足させた新江憲一氏(草庵秋桜・総料理長)。
  新江氏は、3年前イタリア・ミラノに渡り日本料理レストランの料理長を務め、今年8月に帰国。
 由布院料理研究会のメンバーがそれぞれ持ち寄った一品料理は秋を先どった色合い。あまりの美しさに撮影する参加者続出!
 早朝の食材探し、仕込み、料理、講演・・・と一日働きっぱなしの奥田シェフ。かなり疲れているはずですが・・・、深夜になってもこんなに優しい笑顔↑。
小さな工程も楽しみながら取り組む姿勢に、その笑顔の理由を見つけた気がします。
 奥田シェフの話を熱心に聞いている由布院料理研究会のメンバー。
 夜もすっかり深まった頃、奥田シェフの挨拶で食卓祭が終わりました。最後の最後まで笑顔を絶やさない奥田シェフ。山形県庄内の自然をそのままを表したような穏やかで豊かな人柄だからこそ、食材の気持ちが分かり、その良さを活かした料理を生み出すことができるのではないかと感じます。 シェフの作り出す料理と、その大きな人柄に魅了され続けた一日でした。